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歯周病治療

歯周病とは?

  • 歯周病とは、歯の周りにつくプラーク(歯垢)やそれが固まった歯石が原因で起こる病気です。


    歯肉の炎症による出血、腫れを特徴とする歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨が破壊される歯周炎に分けられます。

    最近テレビやCMなどでも歯周病が原因で歯がぐらつくなどの表現をよく耳にしますが、
    進行してしまった歯周病が原因で物を噛むと歯が動いたり、 痛みを引き起こしたりし、
    さらには歯を抜かないといけないような状態になってしまうこともあります。

歯肉炎(しにくえん)

  • 特徴

    ①主に歯ぐきに炎症が限局している状態

    ②歯ぐきが腫れる、歯ぐきから出血をするなどの症状がでる

    ③原因であるプラークや歯石を取り除く事で、歯ぐきの出血や腫れが改善する

歯周炎(ししゅうえん、いわゆる歯槽膿漏)

  • 特徴

    ①歯ぐきから歯を支えている骨に炎症が波及した状態

    ②歯ぐきが腫れる、歯ぐきから出血をしたり、歯がグラグラする

    ③原因である歯石が歯ぐきの深い部位に付着していることがあるため麻酔をして歯石の除去を行ってゆく

    歯周炎は歯肉炎と違い、「歯ぐきの付着の喪失と歯槽骨の吸収」を特徴としています

歯周ポケットとは?

  • 歯周病を診断するうえで欠かせないのが、歯周ポケットを計測することです。

    歯医者に来て歯ぐきをチクチクする検査をされた経験がありますでしょうか?

    歯周病は歯ぐきだけの病気ではありません。
    歯を支えている骨が溶けていく病気なのです。



    そのため歯ぐきにどの位炎症があり、歯を支えている骨がどの位溶けているのか調べる必要があります。
    調べる一つの基準となるものが歯周ポケットです。
    通常、正常な歯ぐきでは歯周ポケットは2~3ミリの深さです。
    歯周病の進行とともにその深さが深くなってゆきます。
    ご自身の歯周ポケットがどの位か一度調べてみましょう。

歯周病の治療はどんなことをするの?


  • 歯周病の治療は炎症を引き起こす原因を除去することが最も重要です。

    炎症を引き起こす原因は歯石です。

    ごらんの通り、歯石を除去することで、歯ぐきの炎症が治まり歯を支えている骨が溶けるのを防ぎます。
    その後、歯周ポケットを再評価し、歯石の取り残しがないことを確かめてゆきます。
    歯周病の治療は時に数か月かかる場合もあります。
    なぜなら、歯石の除去は時間がかかり一度では取り切れないことが
    あったり、歯ぐきが引き締まってくるのに時間がかかるからです。

    また、生活習慣や食生活によっては、再度歯石が付着してきますので、
    定期的に歯石の除去をお勧めします。

勘違いしやすい歯周病の特徴と治療の実際

患者さんの歯周病に対するイメージ 実際の歯周病治療
歯周病の治療期間 数日~数週間で終わるだろう 重度の歯周病では数か月かかることもある
歯周病の症状がでる部位 歯ぐきだけの病気だろう 歯ぐきから歯を支えている骨が溶けてゆく病気
歯周病の治療 簡単に歯石が取れるのだろう 麻酔をして深いところの歯石を取る場合がある
歯磨き 毎日、歯磨きしているから大丈夫 一度、固まった歯石は歯磨きでは取れない

上記の表のように患者さんが想像している歯周病のイメージと実際の歯周病の特徴や治療の実際にはかけ離れたこともあります。

歯周病に対して正しい知識をつけて歯を守ってゆくことが大事です。

歯周病の症状とは?

歯磨きの時に出血したりします。

歯肉に炎症があると食物や歯ブラシ程度の刺激で、歯肉から簡単に出血を引き起こすことがあります。

歯ぐきが時々、腫れぼったい感じがします。

歯周病の多くは慢性の経過をたどります。
慢性とは、痛みがあまりなく、ゆっくりと進行することをいいます。
ゆっくりと進行するので、普段の生活では、「時々気になるけど我慢できるからまだいいや」と思いがちですが、
全体的になくなってしまった歯を支えている骨は治療で完全に元には戻りません。
進行を止めるためにも気になったら一度受診しましょう。

歯がぐらぐら動くんです。

プラーク(歯垢)や歯石を放置していると歯を支えている歯周組織、つまり歯肉や骨は破壊され、その量が減っていきます。
歯を支えている骨がなくなると歯がぐらつくようになり、食べ物をかむと歯が動いたり、痛くなったりします。すぐにでも歯周病の治療を受けましょう。

平成23年度歯科疾患実態調査

  • 4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合

    このグラフは4㎜以上の歯周ポケットを有する者の割合を表しています。

    歯周病の進行度合いを表す一つの指標として歯周ポケットの深さが重要です。

    棒グラフを見ると30代後半から徐々に割合が増えてきて60代後半でピークを迎え
    その後徐々に減っていくようです。

    平成23年度は65~69歳で、
    50.8%の方が4㎜以上の歯周ポケットがあるという事が分かります。

    100人いると半数以上の方が4㎜以上の歯周ポケットを有しているともいえるでしょう。

    つまり、歯周病は30台後半の年齢から発症し、60代で歯を失う原因ともいえるようです。
    若いころから歯に自信がある方でも、知らない間に進行します。
    歯を失う原因は虫歯だけではなく、歯周病が原因であることも多々あります。

歯周病にまつわるQ&A

  • 患者様から寄せられるご質問の中で、歯周病に関することをご紹介します。

    思い当たる節のある方は、参考にしていただければと思います。

口臭が気になるのですが、口腔内に悪い箇所があるのでしょうか?

  • 口臭は口の中の汚れが原因で起こる場合や内臓疾患から起こる場合に分けられます。
    自分ではよく歯磨きをしているつもりでも磨いていることと、磨けているのは違うことがよくあります。
    また、硬く強固に付着した歯石は歯ブラシだけでは取れません。
    歯科で専門の器材で除去することをお勧めします。

歯ぐきが腫れぼったくて、歯科医院に行ったのですが、歯を抜かないとだめだと言われました。 歯周病の治療をしても歯を抜かないといけないことがあるのでしょうか?

  • 答えはイエスです。
    歯周病が重症化すると歯を支えている歯周組織の量が減ってしまいます。
    治療によって炎症がなくなっても歯としての噛むという機能時に痛みを伴うほど歯周組織が減ってしまった場合には歯を抜くという対処法となります。
    ただし、当医院では歯を抜く選択をする前にまずはどうしたら歯が残せるのかを患者様と共に考えていきたいと思います。

SPT (サポーティブぺリオドンタルセラピー)

  • SPT(サポーティブぺリオドンタルセラピー)とは?

    全米歯周病学会第3回ワールドワークショップ(1989)において、
    メインテナンス治療を歯周サポート治療(supportive periodontal therapy SPT)と
    呼称を変えることとなりました。

    さて、SPTと聞いても分かりずらい方が多いのではないでしょうか?

    歯周病の治療は原因を除去することが第一だと上でも説明しました。

    原因除去の治療が終わり、歯ぐきや歯を支えている骨が安定し、歯周病の進行がとまる。
    つまり、この状態を健康になったと考えています。

    しかし、一部歯周ポケットが残っていたり、歯周病原生細菌の存在するバイオフィルムや
    不良なプラークコントロール、歯並び分岐部病変の有無等、
    歯周病を再発させる原因は数多くあります。

    不幸にも歯周病の再発、進行が認められた場合は早期にSRP等の治療が必要になります。

    この健康になった状態を長期間維持していくための「治療行為」と考えましょう
    という事がSPTなのです。

  • SPTの目的

    歯周病は慢性的に進行する事が多い病気ですから、時期によっては再発することがあります。
    部分的に再発している場合、再度積極的治療を行うことで、早期に進行を防止してゆくことが、
    SPTの目的です。

  • SPT(サポーティブぺリオドンタルセラピー)の文献的考察

    SPTに関してよく引用される論文ですが、2004年にAxelsson等によって発表された報告があります。

    これは定期的なSPTやPMTCが虫歯の再発、歯周病の進行、歯の喪失にどのくらい効果があるかを調べています。

    この報告によると
    喪失歯(抜歯に至ったケース)の状況は定期的なSPTを受けていたグループでは
    30年間に喪失した歯は年齢別のグループ分けのテスト群で0.4∼1.8本であった。

    また、抜歯することになった理由は歯根破折が173本中108本(60%)と最も多く、
    虫歯が原因となったものは12本(7%)、歯周病で抜歯することとなった歯は9本(5%)であった。

    さてここからは私の考えですが、こういった長期間にわたる報告や論文を読むと
    定期的にSPTを行うことで
    虫歯の再発を抑制し、歯周病の進行を抑制し、歯を抜歯することを防ぐことにつながる傾向があるようです。

    もちろんすべての方で歯の喪失を防ぐことができるわけではありませんが、

    プラーク(汚れ)の染め出しを行い、歯磨きを上達してもらう事、
    歯間ブラシやフロスを補助的に使っていただくこと、
    専門の器材をもちいて機械的な清掃(歯のクリーニング)つまりPMTCを行うこと、
    こういったSPTの重要性が見えてきます。

    以下にaxelsson等の論文のabstractを掲載します。


    The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality, caries and periodontal disease in adults Results after 30 years of maintenance P. Axelsson1,2, B. Nyström2, J. Lindhe1 Journal of Clinical PeriodontologyVolume 31, Issue 9, pages 749–757, September 2004

    Abstract

    Background: The biofilm that forms and remains on tooth surfaces is the main etiological factor in caries and periodontal disease.
    Prevention of caries and periodontal disease must be based on means that counteract this bacterial plaque.


    Objective: To monitor the incidence of tooth loss, caries and attachment loss during a 30-year period in a group of adults who maintained a
    carefully managed plaque control program. In addition, a comparison was made regarding the oral health status of individuals who,
    in 1972 and 2002, were 51–65 years old.

    Material and Methods: In 1971 and 1972, more than 550 subjects were recruited.
    Three hundred and seventy-five subjects formed a test group and 180 a control group.
    After 6 years of monitoring, the control group was discontinued but the participants in the test group was maintained in the preventive
    program and was finally re-examined after 30 years. The following variables were studied at Baseline
    and after 3, 6, 15 and 30 years: plaque, caries, probing pocket depth, probing attachment
    level and CPITN. Each patient was given a detailed case presentation and education in self-diagnosis.
    Once every 2 months during the first 2 years, once every 3–12 months during years 3–30, the participants received, on an individual need basis, additional education in self-diagnosis and self-care
    focused on proper plaque control measures, including the use of toothbrushes and interdental cleaning devices (brush, dental tape, toothpick). The prophylactic sessions that were handled by a dental hygienist
    also included (i) plaque disclosure and (ii) professional mechanical tooth cleaning including the use
    of a fluoride-containing dentifrice/paste.

    Results: Few teeth were lost during the 30 years of maintenance; 0.4–1.8 in different age cohorts. The main
    reason for tooth loss was root fracture; only 21 teeth were lost because of progressive
    periodontitis or caries. The mean number of new caries lesions was 1.2, 1.7 and 2.1 in the three groups.
    About 80% of the lesions were classified as recurrent caries. Most sites, buccal sites being the
    exception, exhibited no sign of attachment loss. Further, on approximal surfaces there was some gain of
    attachment between 1972 and 2002 in all age groups.


    Conclusion: The present study reported on the 30-year outcome of preventive dental treatment in a group
    of carefully monitored subjects who on a regular basis were encouraged, but also enjoyed and
    recognized the benefit of, maintaining a high standard of oral hygiene. The incidence of caries and
    periodontal disease as well as tooth mortality in this subject sample was very small. Since all preventive
    and treatment efforts during the 30 years were delivered in one private dental office, caution must be
    exercised when comparisons are made with longitudinal studies that present oral disease data
    from randomly selected subject samples.