こんにちは、倉敷市連島町の矢部歯科医院です。
今日は、歯科治療で使われる「下歯槽神経伝達麻酔」についてご紹介します。
下歯槽神経伝達麻酔とは?
下歯槽神経伝達麻酔(かしそうしんけいでんたつますい)は、下顎(したあご)全体の奥歯に作用する局所麻酔の一種です。
この麻酔を行うと、下顎の片側(右または左)の歯、歯茎、舌の一部、下唇の感覚が麻痺し、痛みを感じにくくなります。
下歯槽神経(かしそうしんけい)は、下顎の奥歯から前歯までの感覚を支配する主要な神経です。この神経に麻酔薬を作用させることで、広範囲の痛みをブロックできます。
どんな時に使うの?
下歯槽神経伝達麻酔は、広範囲の治療が必要な場合や、通常の麻酔では効果が不十分な場合に用いられます。例えば、以下のようなケースで使用されます。
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親知らず(智歯)の抜歯
特に下顎の埋伏(まいふく)している親知らずを抜く際には、広範囲にしっかり麻酔を効かせる必要があります。通常の局所麻酔では深く埋まった歯に十分な効果が得られにくいため、下歯槽神経伝達麻酔が適用されることが多いです。
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大きな虫歯や神経の治療(根管治療)
下顎の奥歯の神経にまで達した深い虫歯の治療では、通常の麻酔では痛みが残ることがあります。そのため、より確実に痛みを抑えるために、下歯槽神経伝達麻酔が使用されることがあります。
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インプラントや外科的な処置
下顎のインプラント手術や骨を削る処置など、長時間の外科的処置には、広範囲に効く伝達麻酔が有効です。
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通常の局所麻酔が効きにくい場合
個人差によって、通常の麻酔(浸潤麻酔)が効きにくい方がいます。特に、下顎の骨が厚い方や、神経の位置が通常とは異なる方は、伝達麻酔のほうが効果的なことがあります。
下歯槽神経伝達麻酔の特徴と注意点
✅ メリット
広範囲に確実に麻酔が効く
長時間(約2〜3時間)持続するため、長時間の治療に適している
通常の局所麻酔より少ない薬剤量で広範囲をカバーできる
⚠ 注意点
麻酔後、下唇や舌のしびれがしばらく続くことがある
舌や唇を誤って噛むリスクがあるため、麻酔が切れるまで注意が必要
稀に「効きにくい」場合や、逆に長くしびれが残る場合がある
まとめ
下歯槽神経伝達麻酔は、広範囲に確実な麻酔が必要な場合に使用される方法です。特に、親知らずの抜歯や大きな虫歯の治療、インプラント手術などで活躍します。
治療に関する疑問や不安がある方は、お気軽に矢部歯科医院までご相談ください。最適な麻酔方法をご提案し、痛みを抑えた治療を提供いたします!
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